第５回静岡書店大賞を受賞した「活版印刷三日月堂～星たちの栞」の著者ほしおさなえさんの新シリーズです。職を失い途方に暮れる主人公が出会ったのは、言葉と言葉が深いところでつながる「連句」という不思議な場。そこでの体験を通して自由で豊かな居場所を得、自分を取り戻していきます。「活版印刷三日月堂」シリーズでは心の声を拾い上げ文章にし、第二弾の「紙屋ふじさき記念館」では紙、特に和紙の魅力に触れ文字や文章が書かれた紙には力が宿ると述べています。文字が言葉となり言葉は文章となる。そして文章は物語へと無限に広がっていく。ほしさなえさんはそのことを丁寧に心をこめて描いていて、著書を読むと優しい気持ちにさせられます。

紹介文 山下

著者：ほしおさなえ
出版社：大和書房